人工呼吸器を必要とする人は、人工呼吸器を使わないと、呼吸(息)ができない、酸素をうまく取り入れることができない、呼吸のための筋肉が疲れてしまう、など「人工呼吸器を使っていないと生き続けることが難しい、できない人」です。すなわち、呼吸を助ける、代行する、生命を維持するための機械です。医学用語を用いると、生命維持装置の一つです。
人工呼吸器の基本的な構造は、
1)酸素・空気を取り込む部分、2)酸素濃度を決定する部分、3)ガスの流れを制御する弁、4)呼吸回路、5)患者接続部から成り立ちます。
①酸素、空気を人工呼吸器に取り込み、②酸素濃度を決定(ブレンダー)、③ガスの流れを吸気弁、呼気弁で制御、④呼吸回路を通じて患者側にガスが流れます。
ガスの流れ
1)呼気弁を閉じます
2)設定したガスを吸気側より呼吸回路を通じて流します。
3)回路は逃げ道がないので、患者の肺が膨らみます
4)吸気弁を閉じます。
5)呼気弁を開くと、患者の肺の圧が大気よりも高いのでガスが呼出されます
これを繰り返します
人工呼吸器の機能は、以下の通りです。
1)設定した酸素濃度(21〜100%)のガスを投与する
2)吸気弁を開けて呼気弁を閉じてガスを患者に送る(強制的に、補助的に)
3)肺を膨らます(陽圧換気)
4)呼気弁を開放する(呼気を助ける機能はありません。肺内圧が大気よりも高いのでガスが出ていきます)
決して治療する機械ではありません(人工呼吸器を装着しても、肺はよくなりません)